『わたしがトラベルヘルパーになったわけ、そしてこれから・・・』秋永明子

秋永 明子

―少しでも希望を持って前向きに生きてほしい―
15年前、父がパーキンソン病と診断され私達家族は皆、途方に暮れていました。父の病状が少しずつ進行していく中で、私はどうすることも出来ないもどかしさを感じていました。そんな中で“今の私に出来る事は何だろう?”と自問自答した結果、ある一つの考えが浮かびました。
父を外に連れ出そう、家に籠ってばかりではなく、外の新鮮な空気を吸って少しでも元気になって貰おうと思いました。
そこでまず私がしたことは、ホームヘルパー2級を取得すること、そして車を福祉車両に買い替えること。思い立ったら吉日。半年もたたないうちにこの2つを実現しました。
父は自然の中で過ごすのが好きだったのでいくつか公園をピックアップし、事前にその公園に行って駐車場の場所や駐車場から公園への道順、スロープや砂利道、トイレの状況等を下見しました。今思うと、その当時、私は父専属のトラベルヘルパーだったんですね。外出した時の父の笑顔が忘れられません。
数年後、父が亡くなり、母も弱ってきて今は施設に入っていますが、今私は母専属のトラベルヘルパーです。母は花が好きなので、桜、バラ、あじさい、新緑、紅葉・・・四季折々ドライブを楽しんでいます。
そんな中、私は本物のトラベルヘルパーの存在を知り、衝撃を受け、感動し、さっそく本物のトラベルヘルパーになるべく勉強を開始し、現在に至っています。
私の父と母はあまり前向きな人ではありません。だからこそ、少しでも前向きに生きてほしいという思いで父と母の専属のトラベルヘルパーをしてきました。
でも、これからは希望や夢を持っている人がいれば、どこにでも飛んでいってその人達の幸せのお手伝いができたら、こんなに素晴らしいことはないと思っています。
絶対あきらめないで欲しい、いろんな可能性を見つけてみんなで頑張れば夢は叶う・・・私はそう信じています。


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