思い出に残るトラベルヘルパー業務 坂本久美子

思い出に残るトラベルヘルパー業務
坂本 久美子

トラベルヘルパーのお仕事それぞれ思い出がありますが、今回は私がお仕事を始めた頃に行った感動の思い出巡りの旅について書くことにします。

そのお客様のご旅行の目的は「故郷の思い出巡りと妹さん探し」担当コーディネーターと「妹さん探しは難しいでしょうね。」とプレッシャーを感じながらスタートした旅行でした。
行先は松山の道後温泉です。調度NHKの「坂の上の雲」が放送されて街も活気づいているころでした。空港で乗ったタクシーの運転手さんは地理にも詳しい上、昔のお話にもすぐ答えて下さる方で、松山に滞在している間ずっとお世話になることになりました。

1日目は大学と大学時代のご友人が経営されている竹籠屋さんを訪ねると、ご友人もお元気で、昔話を楽しんでいただくことができました。妹さん探しは無理と思いつつ運転手さんに相談したところ、何とかなるかもしれないと調べて下さいました。
ところが心あたりの家は道が狭く車を降り探していた時、目の前で農作業をしている方に「この近くにSさんという家はありませんか?じつはお兄さんが東京から妹さんを探しに来たんです。」と、事情を話すと「それは内の親戚ですよ。」・・・。何という偶然でしょう!
無理だと思っていた妹さんが1日目にして見つかったんです。もちろんお客様は大喜び私も他人ごとではなくとても嬉しくて奇跡が起きたような感動を受けました。

そして、次の日に妹さんがホテルまで来て下さり、昼食をご一緒し、食後は妹さんのお家にお邪魔し、お二人でしばらく思い出話をした後ホテルに戻りました。
お客様は「妹が幸せに暮らしていて本当に良かった。今までずっと心配していたんだよ。」と、この後は安心して残りの行程や土地の名産もしっかり味わい妹さんに飛行場で見送られながら松山を後にしました。

このような感動的な旅にご一緒させていただけるトラベルヘルパーのお仕事に幸せを感じると共にこれからも一つ一つのお仕事を大切にしていきたいと思いました。


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